top > blog > SAKE-BOMB > 14.8月.2012

SAKE-BOMB day6 【Call Sheetの謎】

【Staff 1号 from LA】

いよいよ明日はおやすみ(日本では撮休って言います)ということで、
スタッフの顔の幾分晴れやかです。
でも今日は、なかなかラスト近くの大事なシーン。
朝から気合い入れていたんだけど、
デリケートなシーンと言うことで、
必要最低限のスタッフ以外出ていけという助監督バズの言葉にビビって、退出。
ショボん…。

まあ半分冗談で、
プロデューサーなんで、入っても良いんですけど、
なんか邪魔になるのもあれだし。
バズ怖いし。。(笑

こっちでは、英語のせいもあるかもしんないですけど、
自分の仕事を全うするのには、遠慮も何もありません。
相手が誰だろうが、フツーに主張します。

まあ、制作のスタッフさんからこんなものを渡されてしまっちゃうワタクシなので、
イマイチ誰だか分かられていないのかもしれませんが…orz

はい、Invoice(請求書)です。
アメリカでは後払い(信用取引)の文化はないので、
こうして週ごともしくは月ごとにそれぞれ請求書を出すのだそうです。

スッと手渡してくれたので、もらったけども、
いやいや請求書て。

いや、待て待て。
ワシャ、この作品のプロデューサーじゃろうが!
どこに請求するんなら、ワレ!
と、怒ると出てくる地元広島弁でノリツッコミする前に、
アメリカスタイルでジョークだ!

ワタクシ「さっきもらったこれ、プロデューサーは、誰に請求すれば良い?」
Briana(PA)「Oh, sorry」(にっこり) ※PA=Production Assistant

ってことで、ま、いっか。

こないだちゃんと挨拶したんだけどなぁ。
Tシャツに短パンという格好がいけないのかなぁ。
ラインPのマットみたいにジャケット着るかなぁ。
とかいろいろ考えたけど、ま、いっか。

ちなみに、このBrianaちゃんは、いっつもサングラスをかけてるのです。
いっつもサングラスかけてるね、って聞いたら、
私のスタイルだって言ってました。

話がそれちゃいましたけど、
まあ現場ではプロデューサーのやる具体的な役割って無いですもんね。
なので、監督が順調に撮影出来ていればOKってことで、
要所でいろいろコミュニケーションしています。

バズの名前が出たところで、本日のスタッフ紹介に絡めてしたいお話を。

【今日のスタッフ】
こちらが、助監督のバズ。

んで、こちらが2ndADのバズ。

 

ケーキが好きみたい。
最初アップで撮ったら引きで撮れと注文されたし(笑

今回のAD(Assistant Director)いわゆる助監督、
そして2ndのADがともにバズというお名前。
バズって名前も珍しいらしく、そんなバズが同じ現場の同じ部署だなんて。
名前で呼ぶのがフツーなこの現場でどう呼びわけてるのかと言いますと。

助監督のバズを”2z(ツージィ)”、2ndのバズを”1z(ワンジィ)と呼ぶのです。

助監督のバズは、Buzz。2ndのバズは、Buz。
そうです、”z”の数が1個か2個か。
よく考えたな、と。

でもいわゆる1stADのバズが、2zで、2ndADのバズが、1zだなんて、
ややこしいワ!

それでこのAssistant Directors、
日本で言う演出部チームの役割ですが。
これまた日本と逆でして、

1stADが現場の撮影がスムーズに行くように段取る、
いわゆる現場監督みたいな役割で、
2ndADがCall Sheet(明日の予定)を作ります。

これ、日本だと真逆。
1stが香盤表作って、2ndが現場仕切りますもんね。

しかも現場での助監督の立ち位置は、まあ1番エラいです。
もちろん監督のやりたいことを尊重しますけど、
彼の役割は予定をきちんと時間通りにこなすことなので、
そのためには、みんなを急かします。
まあ、なので嫌われ者になりがち。

しかもデカくて強面なので、最初はこええぇぇって思ってたけど、
Barで一杯やってる姿を見たら、陽気な兄ちゃんで、
ああ人って役割でこうも変わるのね、と。
それ以来、仲良く話してます(単純)

で、2ndのバズはまあ陽気な兄ちゃん。
いつもPCの前でCall Sheet作ってます。
たまにFacebookばっかり見てたりもするけど、
ま、仕事しっかりしてるので、許す(笑

そんな2ndのバズが作る香盤表は、これまたなんで?ってことがいくつか。

まず、これ。

はい、ページ換算が8分割。
なんで?って聞いてみたんだけど、理由は分からずでしたが、
共通で8分割なのだそう。
合理的アメリカなので、きっと理由があるはずですね。
だれかご存知なかたいらっしゃいませんかー?

後、こちらでは脚本の1ページが1分だそうです。
なので、1と4/8だと、1.5分のシーンということ。

メジャーのいわゆるハリウッドスタジオ映画だと、1日に1〜2ページくらい。
インディの映画だとこれが、1日に4〜6ページくらい。
超インディ映画だと、1日に10ページとかあるとか。

1日に1ページって、なんて贅沢な。。。。

それと、これ。

ん?
6:12?
これ、岳サンの集合時間だったんですが、
岳サンも、ん?って思ってました。

てか、6:10で良いじゃん。
そう思いません?
なぜわざわざ12分なのか、と。

でも、やっぱりちゃんと理由がありました。
以前ブログに書いた、俳優の協会SAG。
ここは俳優の働く時間もしっかり主張があるというか。

要は、1時間を10分割して考えてるだそうです。
つまり、0.1時間が6分なわけです。

撮影を5.5時間するのか、8.7時間するのか。
5.5時間であれば、5時間30分。
8.7時間であれば、8時間42分。

俳優さんとの契約で、6.2時間の拘束時間の場合に、
6時間15分かかった場合、6.3時間分の6時間18分が適応されて、
Over time(超過料金)がかかるのです。

うーん、スゴいですね、このルール作り。
まあ6:12集合と書かれても、
6:10を目安に来ると思うんですけどねぇ…。

合理的すぎて合理的じゃなくなるなんていうトラップも多々ありそう。。

無事に撮影終了で、この日は日曜日&撮影休みの前日ということもあって、
スタジオ外にいるBarで一杯。
お酒飲んで、ワイワイやってるスタッフの顔を見ると、
仕事中とのギャップで、みんな良いヤツだなー、となんかグッときました。

ワタクシはというと、みんなと1杯やった後、
LAに住む学生時代からのお友達とそのお友達と
ソーメンパーティしてきました。
美味しく頂きました、Yo-chan, Ai-chan, Erik, Kumi-chan、
どうもありがとうございました!

まさかのソーメン、いやいや本当に劇的にまいうーでした。
食の記憶と言いますか、やっぱり食べ慣れたモノって美味いんですね。