ベルリンとヴァンパイアと余分三兄弟
Tuesday 8, February 2011
from Shunji Iwai’s VAMPIRE
いよいよ明日からベルリン映画祭へ出張です。
私が参加するのは、映画祭本体のお祭りの方ではなくて、
脇で映画の権利を売り買いするEuropean Film Marketという見本市です。
MGB(Martin Gropius-Bau)というとても歴史的な建造物の中で
1週間缶詰になって過ごします。
© Roman März
ランチもままならず、終日ミーティング続き、夜はパーティ続き、
その合間を縫って、雪道を小走り→スベってコケる、にもめげずに、
観たい映画の上映に駆けつける毎日です。
世界中どこへ行っても、
ベルリンでもカンヌでも香港でも釜山でもロスでも、
おんなじことの繰り返し。
それでも、毎回、毎回、新しい発見、新しい出会いがあるので、
ワクワクしっぱなしなのですが、直感と出会いを大切に、と思っていることもあって、
毎回、あまり詳しい下調べはしていきません。
ネット上に事前に出ている情報なんて、
スケジュールの参考程度でしかなく、
その作品の本質は、やはり
現地で上映され、スクリーンに映し出され、その場にいる観客に「まみれて」、
初めてその本当の姿を現してくるものです。
今回は一体、何に出会えるのでしょうか?
さて、そんなことを言いながらも、
実は噂の岩井俊二監督の英語吸血鬼映画、その名も『Vampire』が
パノラマ部門で上映されるようですので、
久しぶりの岩井ワールドを目撃してきたいと企んでいます。
プロデューサーに聞いたところ、監督おひとりでのベルリン入りだそうです。
究極の怖がりなので、普段、ホラー映画は絶対に見ないのですが、
どうやらこの岩井さんのヴァンパイアものは、
普通のホラーと違うロマンスに仕上がっているとか。
いつも内省的、哲学的な作品を発信してきた岩井監督ですが、
初めての英語映画でその世界観は変わっているのか?という点が興味深いところ。
サンダンスでの上映を見た映画サイトtwitchの記事では
「いや、全く変わってないんだから!」と喜ばれてました。
私は『スワロウテイル』で、すげ〜っ、となった、いわゆる岩井世代ではありませんが、
吸血鬼のいない国の監督がよその国の言葉で切り取ったヴァンパイア像、
楽しみにしています。
Twitchのサイトでちょっとだけ映像が見られます。
ところで、私は出張に行く前、特に寒い国に行く時は、
事前にドラッグストアへ行って、しこたま健康グッズを買い占めます。
出張中は、本当に生活が不規則で、連日の会食で脂っこいものばかり食べますし、
お酒もガンガン呑みますし、映画も見てそれなりにテンション高くなりますし、
時差が大きい日本とのメールのやりとりもあって
遅寝、早起き、睡眠不足の、不健康余分三兄弟も連れて行くわけです。
以前は出張して3日目くらいに必ずと言っていいほどダウン!して、
高いホテル代を使って、海外でお休みする、という悪循環だったのですが、
最近ではダウンしたときの対策用にといろいろなグッズを買っていくせいか、
ダウン回数は激減。というかほぼゼロ。
それどころか、むしろエネルギーをたくさん吸収して、
お肌ツヤツヤ、元気いっぱいで帰ってくることが多くなりました。
「いざとなったら【アレ】がある!」という安心感で、
病気をやっつけているのかもしれませんね。
まさに病は気からの典型例です。
「アレ」といったって、マスクとか、のど飴とか、鼻炎のスプレーといった、
なんてことのないグッズばかりなのですが…。
「いつものヤツ」ってのがミソかもしれません。
以前、ポルトガルへ行った時に、突然原因不明の気管支炎を起こしてしまい、
あまりに苦しいのでドラッグストアへ薬を買いに行ったのですが、
やはり英語が通じない街で薬を買うのは一苦労。
それ以来、出張前日のドラッグストアは、必須となりました。
寒い国へ行くときは、「バブ」とか、よもぎ温感パックとか、
ラベンダーの香りの蒸気アイマスクとか、そういうリラックスグッズも持参します。
それにしても、日本ほどあれやこれやと便利グッズが揃っている国は
少ないのではないでしょうか?
今回は、胃の中で脂肪分をカットして、
いっぱい食べたことをなかったことにしてくれるらしい魔法のサプリも買ってみました。
これでベルリン名物のカリーヴルストも心おきなくパクっといけますね♪
おいしくない要素がなにもない(←まわいくどい言い方)、
噂のカリーヴルスト、マヨネーズポテト添え。
ありがたいことにドイツのフレンチフライには、
マヨネーズがどっさり!乗っかっているので、
せっかくですから、これも「なかったこと」にしてもらいましょう!
あ、そう言えば、ドイツはビールもウマイんだった!
頭に浮かぶのは、映画じゃなくて食べもののことばっかですが、
楽しいことのイメトレも大事なことかと。
しかも今回はベルリン現地の通訳さんをお願いしたので、ドイツ語バッチシ。
ディナーのメニューオーダーの幅がぐぐっと広がることは間違いありません。
さらになんのご褒美なのか、無料ビジネスクラスに搭乗です。
あ…仕事の話をしていたはずが、すっかり楽しい旅行気分になってしまいました。
このあたりで、読んでる人はだんだん腹が立ってきたかもしれませんので、
パッキングを始めることにします。
でわ、行ってきます。
睡眠時間を削ってでも、
がんばって現地報告したいと思っていますので
毎晩、おなかいっぱいになりすぎて、バタンキュウしないように
気をつけます。