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次世代のクリス・ノーラン?期待の新人J.C.チャンダー

Saturday, 21 January, 2011

クリス・ノーランになれるのか?脚本力で一気に花道に!
大型新人監督J.C.チャンダー初監督作
『Margin Call』がサンダンスでワールド・プレミア!
kevin spacy 
うーん、これ観たい!と思わせるケヴィン・スペイシーの決めの一枚。   ©JOJO WHILDEN
2/10から開幕となるベルリン映画祭
コンペティション部門のラインナップが発表になりました。
今年は日本映画は選ばれていないのですが、
注目なのは、J.C.チャンダー監督(アメリカ)の『Margin Call』。
なんとこの作品、長編初監督作品にして、リーアム・ニーソン、
ケヴィン・スペイシー、ポール・ベタニー、ジェレミー・アイアンズ、
スタンリー・ツッチ、そしてデミ・ムーアと錚々たるスターが出演している上に、
本日、サンダンス・キッドこと ロバート・レッドフォードが主催する
サンダンス映画祭でワールド・プレミアされ、
2/10から始まるベルリンで、インターナショナル・プレミア。
全米公開は10月で、もちろんアカデミー賞狙いの公開スケジュール、と
完全に2011年のエリート・コースに乗っているのですから、
これはもう、きっとハリウッドきっての赤丸急上昇監督に違いありません。
ストーリーは、
【2008年にアメリカで始まった金融危機のきっかけとなった、
キーパーソンとなる主人公たちの24時間を、
NYのウォール・ストリートのとある投資銀行を舞台に追ったサスペンス】
だそうです。
どちらかというとドキュ・ドラマっぽい作りになっているとか。
J・C・チャンダーーと言う人は、
7年前に5,000ドル(40万円そこそこ)で
『Despacito』というショートフィルムを作っただけで、
今回いきなり、3.5億円の予算の本作に大抜擢。
監督と脚本を務めています。
そして次回作はディカプリオがプロデューサーを務める
ワーナー・ブラザーズ映画製作『Portofino』が決まっているほか、
もう1本、ワーナー用に脚本を書くという契約を既に交わしています。
どうやら実のお父さんがウォール街のメリル・リンチ証券に
40年務める証券マンだそうで、インサイダーとして脚本を書いたのが
リアリティ満点!ということなのでしょうが、
これだけの名優たちがこぞって演じたがる
アーンド、ディカプーがプロデューサーを買って出る(もしかしたら主演もするかも)
アーンド、メジャーが早速ツバをつけている、
ということは、いわゆる業界で言われる「いいホン」なんでしょうね。
監督いわく、これだけのキャストが揃っていても、
2009年、2010年はアメリカのインディ業界も最も冷え込んでいた時期なので、
資金集めには相当な時間がかかったのだとか。
「不景気がなければ書けなかった脚本だけど、
  不景気のおかげで映画化は難しかった、皮肉なプロジェクトです」。
ザブトンあげても、いいと思います。
さて、これだけの名優がスクリーン上で競うわけですから、
かなり期待は高まります。
でも、個人的な嗅覚としては、これ、
サンダンスにありがちな、ものすごいセリフが多い…映画な予感がします。
ファイナンスのことを知らないと、あっという間に眠くなっちゃう…みたいな。
名優たち、迫力あるんだけど、金融が舞台だから抑えた知的演技で、抑揚もないし…、
あ、集中力、切れちゃう、みたいな。。。
ちなみにサンダンスでのプレミア上映での評論家ウケもまあまあいいみたいです。
インディ版『ウォール・ストリート』みたいな感じなんでしょうか?
すこぶる楽しみですが、
ベルリンでは睡魔が会場内を徘徊している真夜中の上映でないことを祈ります。
あまり期待しないで見たら、
ノッケからどんどんドライブかけられて、
ファイナンスなんてようわからんけど、
なぜかぎゅいんぎゅいん引き込まれるようであれば、
次のノーランってことになるのでしょうが、
そこんとこ、どうなんでしょ?

source: Los Angeles Times