韓国のヒットも中国のヒットも「地震」映画だった件
Monday, January 17, 2011
先日、韓国の総動員数が昨年は過去5年で最低だった、
という話を書きましたが、今日は続きで、登り龍の中国の話。
2010年の中国の興行収入は、前年64%!のアップ。
2009年に62億1千万人民元(約781億円)だったのが、
100億2千万人民元(1,284億円)までに上昇しました。
韓国でも「津波」の映画が過去最高動員数(1,300万人)を記録したのは
記憶に新しいところですが、
昨年の中国の国内で一番ヒットした映画も
『唐山大地震』で動員数2,000万人。
これまた地震関係作でした。
(ただし、災害映画ではなくてメロドラマ。
松竹配給で日本でも3/26から公開されます)
© 2010 Tangshan Broadcast and Television Media Co., Ltd.
Huayi Brothers Media Corporation/Media Asia Films (BVI) Limited
中国製の映画(韓国製の「韓画」のように
「華画」とでも呼びましょうか)の数は、前年比15%増の526本。
2000年には83本だったので、
この10年で凄まじいほどの増加率です。
中国では、政府が映画製作をコントロールしていて、
SARFT(國家廣播電影電視總局)というところが、
内容を精査し承認するという認可制です。
なのでこのSARFT認可以外のアングラ映画は、
実はもっとたくさん作られていると言われています。
また中国では現在、映画館のデジタル化もものすごい速さで進んでいて、
おそらく世界で最初に「全劇場デジタル化」する国だと言われています。
最近NEC制のデジタル・プロジェクターの大量発注が
あったというニュースも出ていました。
あれもこれも、イケイケ、ドンドンのチャイナ。
ところで…
韓国では、824万人が観た『アバター』ですが、
中国での興行収入は約204億円(わかり易く100円換算)でした。
(注:韓国のは動員数で、中国のは興行収入の数字です)
これは『アバター』が全世界で稼いだ興行収入の10%にも値します。
しかも『アバター』は、公開後に政府に「上映禁止」され、
最後まで完走させてもらえなかったのに、この数字です。
やっぱり13億人規模の人口パワーって、スゴっ。
しかもこれからもどんどん都市部の人口が増え続けると
マッキンゼー・アンド・カンパニーさんも
2008年の時点ですでに予測してましたし、
去年1,200億円だった市場規模は、5年後には、3,600億円にまで膨れ、
動員数も11億人になるという予測もあります。
ちなみに中国の都市部での3D映画の入場料は、
18ドルくらい。2Dの入場料は、12ドル。
円高なので安く感じますが、
感覚的には日本の入場料と変わりありません。
映画にとっても中国がすでに小さなマーケットでないことは、明らか。
ハリウッドは、日本のアニメやマンガの原作ものの権利を買い漁り、
焼け野原になった日本にはもはや興味がなく、
中国にどんどんブランチを作り、投資を始めています。
この興行市況を見れば、誰もがこう言うでしょう。
「そりゃ、そうだよね、アンタ。」
※各国の興行成績、動員数などはネット上には様々な数字が飛び交っていますので、
ここでは、信頼度の高いFilm Business Asia社の記事から引用しています。