マイ・マザー
- カンヌ映画祭監督週間 C.I.C.A.E賞、Prix Regards Jeune賞、SACD賞受賞
- アカデミー賞 カナダ代表作品選出
- セザール賞(フランス)最優秀外国語映画賞 ノミネート
- ジニー賞(カナダ・アカデミー賞) 最優秀初長編監督賞 受賞
- ジュトラ賞(ケベック・アカデミー賞) 最優秀作品賞、最優秀脚本賞 受賞
- ルミエール賞(フランス) 最優秀フランス語圏映画賞、観客賞 受賞
- バンコク国際映画祭 審査員特別賞 受賞
- イスタンブール国際映画祭 コンペティション部門 観客賞受賞
19歳、初監督の本作がカンヌ映画祭で三冠!
現代の“アンファン・テリーブル”として鮮烈なデビューを飾り、世界を虜にする若き天才、グザヴィエ・ドラン(『わたしはロランス』)の原点、ついに日本公開!
Synopsis
僕はユベール・ミネリ、17歳。ケベック州のなんでもない町で、他の誰とも変わらない退屈な青春の日々を送っている。最近ひとつだけ、どうしても許せないものがある。趣味の悪いセーター、貧乏臭い部屋のインテリア、食べかすだらけで小言しか言わないやかましい口元まで、なにもかもが耐えられない存在 ―— 僕の母親だ。「なぜこんなにも受入れがたい存在なのか」、僕は自問する。人は「親は敬うべきだ」と言うが、僕には理解できない。僕は息子に向いてないのかもしれない。あの母親の根っこには、他人への愛を素直に表現できない矛盾した人間性が脈々と流れているに違いない。うるさく僕をコントロールしたがる母、次の瞬間には罪悪感を覚える母。そんな不安定な感情を持て余し、行きどころを失くして僕にぶつけてくるのだ。そんなものに付き合っていられるか。
ユベールは、毎日この欠陥だらけの母親の愛情過多と愛情不足の矛盾に振り回され、かつては大好きだった母への憎悪が膨らみ、制御しきれずにいる。ヒリヒリするティーンエイジャーならではの「理由のない苛立ち」に耐える日々に嫌気がさしているユベールは、ある日偶然に、幼いころから親しんだセント・ローレンス川沿いの真っ赤な夕陽の下、母親が土手に腰掛けているのを見かける。野カモの群れの神秘的な声があたりに響いている。不意にひとときの安らぎを覚えるユベール。それはイノセントでただひたすら楽しかった昔の情景だった……。幼少時代へのノスタルジーに、不器用に折り合いを付けようともがく少年ユベールの決別のとき。17歳、僕は、母を、殺した――。
Director's Profile : グザヴィエ・ドラン
1989年、カナダ生まれ。6歳で子役として活動を始める。17歳の時に書き上げた脚本で主演と監督をつとめた本作で、2009年にカンヌ映画祭で鮮烈なデビューを飾った。2010年『胸騒ぎの恋人(原題:Heartbeats)』、2012年『わたしはロランス』と続けて、カンヌ映画祭に出品され、2013年、最新作『Tom at the Farm(原題)』がヴェネツィア映画祭コンペティション部門に出品されるなど、この若き天才に世界の映画界から注目が集まっている。
Credit
監督・脚本・主演:グザヴィエ・ドラン『わたしはロランス』『胸騒ぎの恋人』
出演:アンヌ・ドルヴァル、スザンヌ・クレマン、フランソワ・アルノー、パトリシア・トゥラスネ、ニール・シュナイダー
配給:ピクチャーズデプト 提供:鈍牛倶楽部
2009/カナダ/カラー・白黒/100分/1:1.85/フランス語・日本語字幕/原題:J'ai tué ma mère 英題:I KIlled My Mother ©2009 MIFILIFILMS INC