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【News Letter】映画「ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古」“基準を上げる”名言集

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Press Release | September 8, 2013
プレスリリース
株式会社ピクチャーズデプト

演技の神様が語る演劇・人生の本質
映画「ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古」
“基準を上げる”名言集

演劇史に名を残す偉大な演出家ピーター・ブルックの稽古場を初めて映像化したドキュメンタリー映画『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』 が、9月20日(土)より公開となります。

本作のテーマは「基準を上げる」。ピーター・ブルックの語る、一つ一つの言霊が、演劇論を超え、人生論として心地よく耳に響きます。

今回、本作をより有意義なものにしていただくために、ピーター・ブルックの語る至言の一部をご紹介します。

芝居とは、普通を演じることだ

演技は判断やコメントを加える作業とは違う。常に自分自身の中でリアリティを追求する作業なんだ。

感動は長く続かない

役者が動き出せば装飾は邪魔になる。人はなにか意味を“匂わされる”方が展開を期待し興味を持ち続けられる。幕が開いた瞬間あとの展開は見えてはダメだ。ワクワクさせるんだ。

インスピレーションとはどういう意味だろう?

懸命に試しても降りてこない。それがやってくるのは、ほんの一瞬のモーメントだ。
一瞬だけ動く「沈黙」の時だよ。

我々にとって最大の関心事は先へ進むことだ

たくさんの実験的なことを試してみたし、ある意味では良い出発点だ。

困難な経験を通して

我々が得るものは決してネガティブなものではなく、課された課題に立ち戻る喜びだ。

自由はどこにでも、転がっているものだが

自分を超えた何かが生まれると、我々はいつも驚く。「何かに動かされた」と。さて、どう見つける?

理論役立つし良い本もある。

学校にもある程度長所がある。しかし演劇の本物の行為というものは、人の心に触れ、痕跡を残すこと。

終わりは、終わりではない

あまりに早く終わり方を決めてしまうと、人は探求をやめてしまう。自分自身の可能性が失われてしまうのだ。大事なのは終わりには、終わりがないということ。

基準を上げる

このワークショップ(綱渡り)を役者たちと行うことで、皆が達成したことというのは「技術を習得した」とか、「もう安心して演技ができる」と感じることではない。
「自分はかつてないほど豊かな真理に直面した。それを糧とするには自分の基準を引き上げ、さらなる努力が必要なんだ。」と気づくことだ。

【レビュー】
■池端俊策(脚本家/映画監督)
ピーター・ブルックは想像上の綱の上を俳優に歩かせ、演技はイマジネーションの産物だと説くが、同時に綱の上に立つ不安な状態から生きることの真理を掴み自由になれとも言う。綱の上の自由とは何かを考えなければならない。考え、演技する俳優たちが、一瞬静寂につつまれ、いい表情を見せる瞬間がある。 そういう俳優たちに、“それだ”といった風に頷いてみせるブルックのまなざしが素晴らしい。ブルックは、演技論を通して、自分の人生観を語っているように見える。

【試写室より】
「ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古」は“演技とは?”“演出とは?”をめぐる禅問答的ドキュメンタリーとして面白いけど、同時に“自己啓発映画”として興味深かった。作り手の意図を理解したり読み解いたりするのではなく、啓発され、気付きを得る映画。こういうのはめったにない」(門間雄介・編集者/ライター。「CUT」元副編集長)

「自分と同等かそれ以下」みたいな意識が蔓延するなかで、 圧倒的にレベルの上のもの(人)がこの世に存在する」 ということを感得できる、ある種の宗教的な体験でした。(30代 出版社編集者)

【ピーター・ブルック世界一受けたいお稽古】
偉大な演出家、ピーター・ブルックの2週間にわたるワークショップに密着したドキュメ­ンタリー。「ピーター・ブルックの魔笛」などで魔術的舞台と絶賛される演出家が、俳優­やミュージシャンらに演技の稽古をつけ、舞台が作られていく様子を5台のカメラが捉え­る。監督はピーターの息子で、短編映画やドキュメンタリー映画を手掛けてきたサイモン­・ブルック。ピーターの数々の舞台や、『最後の忠臣蔵』などで知られる笈田ヨシらが出­演する。演劇や創作という枠を超え、ピーターの持つ人生哲学に引き込まれる。

『ピーター・ブルックの世界一受けたいお稽古』
オフィシャルサイトURL : http://www.peterbrook.jp/

■ピーター・ブルック

1925年ロンドン生まれ。オックスフォード大学在学中、「フォースタス博士」で初演出。46年、シェイクスピア記念劇場(現RSC)において史上最年少の演出家となり「恋の骨折り損」を演出。その後も「リア王」、「真夏の夜の夢」、「アントニーとクレオパトラ」などを演出。’71年、ミシュリーヌ・ロザンと共に国際演劇研究センター(C.I.R.T.のちにC.I.C.T.に改称)をパリに設立。74年には、20年以上廃墟となっていたブッフ・デュ・ノール劇場を開場し、「鳥の会議」、「桜の園」、「テンペスト」、「マハーバーラタ」など話題作を次々と発表、2010年まで芸術監督として活動。オペラの演出も手掛け、1948年、ロイヤル・オペラ・ハウスの演出家に就任、「ボリス・ゴドゥノフ」、「フィガロの結婚」、「サロメ」などを演出。ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で「ファウスト」、「エフゲニー・オネーギン」、ブッフ・デュ・ノール劇場で「カルメンの悲劇」、「ペレアスの印象」、エクサンプロヴァンス国際音楽祭で「ドン・ジョヴァンニ」を上演。近作にモリエール賞最優秀作品賞(ミュージカル部門)を受賞した「ピーター・ブルックの魔笛」、「ザ・スーツ」など。今年4月には新作「The Valley of Astonishment」の開幕する。映画監督としても活躍し、「蝿の王」、「雨のしのび逢い」、「注目すべき人々との出会い」など。主な著書に、15カ国以上に翻訳された「なにもない空間」、「秘密は何もない」、自伝「ピーター・ブルック回想録」など。