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韓国の観客動員数が下がって中国の興行収入が上がった話

Friday 14, January 201


去年(2010)の韓国の年間総観客動員数は
2009年から5%ダウンして1億4千8百万人となり、
過去5年間で最低の数字だとか。
 
去年の夏にプチョンへ行った時のこと。
プチョンという町は、まあまあいい感じに田舎町でして、
映画館だかゲーセンだか?みたいなこじんまりした、
全面真っ黄色のビルヂングで
公開初日に話題のウォン・ビン主演『アジョシ』と、
あまりに残虐なので政府から公開しちゃだめ!と言われていた
イ・ビョンホンの『悪魔を見た』を見たのですが、
どちらもほぼ満席で、
「ほほ〜、日本より劇場にお客さんが入ってるナ」という印象。
そんなリアルでの印象をよそに、数字的には過去最低なのか。
ということは、
私が観た2本は、
その時公開されている中の動員TOPワン、ツーだったので、
ひょっとすると日本と同じように、
いわゆる「一本勝ち」(=当たってるのは一本だけ)
という状況なのかもしれませんね。
過去最高の動員数!でも、ヒットしてるのは東宝ばっかなので、
映画会社はやたらと倒産…、
みたいな。
少女時代やKARAを見に日本からツアーを組んでソウルへ行く時代なので、
さぞ国内でも、韓エンタが強いのだろうと思いきや、
いわゆる韓国映画のシェア、日本でいうところの邦:洋のシェアは
国産が47%止まりでした。
ハイ・クオリティな作品を続投する韓国映画界ですが、
とはいえ、まだ半分は「輸入もの」なんですね。
しかし年間興行収入ベスト10のうち7本が「韓画」だったので、
国産映画がウケている、というトレンドは
やっぱり日本と同じ、かもしれません。
ちなみに去年、韓国で一番動員数が多かったのは
『アバター』で824万人。
2位はウォン・ビンの『アジョシ』で625万人でした。
(ウォン・ビンの腹筋があまりに見事に割れていて死ぬほどカッコイイので
 男子プロデューサーの意向を振り切り、女子社員の意向が全面支持されて
 採用となった、カットはコレ↓)

Won Bin 
©2010 CJ Entertainment Inc. & United Pictures, All Rights Reserved

こうして数字を見ると、一昨年の『Tsunami』の1,300万人は
まさにrecord breaking、スゴイ数字デス。
津波自体があまり珍しくない日本では
「メガツナミ、よ?」の飛び道具的CMも
イマイチ盛り上がらなかったけれど。
さて、この手の数字はいろんなとこで発表されていますが、
直感的にどんな数字かというと、
日本のヒット作に置き換えれば、
『ルーキーズ〜卒業〜』が、695万人で、
だいたい『アジョシ』と同じ規模。
『ハリーポッター』シリーズが平均で大体800万人。
韓国の『アバター』と同じ規模。
ヒットの「肌感覚」って、
【自分のまわりの人が、ほぼみんなその映画のことは知っている】
という規模なんじゃないでしょうか。
(かしこまって言えば、認知率が高い)
ちなみに、
日本での過去最高動員は『千と千尋の神隠し』の2,300万人です。
日本人の6人にひとりが観た!映画です
(注:赤ちゃん含む)
さて一方で、世界的に誰が見ても聞いても
イケイケドンドンの中国映画界の
2010年はどうだったんでしょうか?
…ということを書こうと思ったのですが、
iPadでのカマキリ・タイピング(一本指打法)に疲れてしまったのと、
まもなく税理士さんと決算の打ち合わせが始まるので
また明日〜。
Thank god its FRIDAY!!
追記:
ウォン・ビンはカッコイイのですが、タイトルは邦訳すると、
『おじさん』・・・ちとダサめ。