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若松監督のこと

July 4, 2010 PARIS, BNF mk2 Biblioteque
パリシネマ映画祭には、若松孝二監督、青山真司監督、
片嶋一貴監督が勢ぞろいした。
片嶋監督は、若松さんのチーフ助監督をやっていた経験がある。
そして、青山さんは、井筒監督作品で、片嶋さんの
セカンド助監督をやっていたことがある。
なーんていう、いわゆる大御所テーブルには、
恐れ多くて、若手がちっとも近づけなかったのである。

SANY0242.jpg 
※ベテランすぎて迫力のオーバー40、スリーショット。基本レイドバック。
※後ろ姿なのにこのオーラ!は若松監督。
ひとり離れたところに、これまた大御所、『スイート・リトル・ライズ』の矢崎仁司監督が。
今回パリ入りしていた若手監督は、『東京人間喜劇』の深田晃司監督(ふかっちょ)、
『川の底からこんにちわ』の石井裕也監督、『ライブテープ』の松江哲明監督などなど。
私は幸いにも若松監督と少しお話をする機会を与えてもらった。
73歳とはとても思えない、斬新なアイデアを
次々と自分の足で実行している若松監督。
聞けば、至極当たり前のことばかりだが、
制作者サイドで実際に、動ける人はそうはいない。
そして動いたところで、あらゆる意味で、新しすぎるようなアイデアを
これほど保守的な業界内において、ほぼすべての相手に
「やりましょう」と言わせてしまうのは、
何を差し置いても、やはりあの若松監督のキャラがすべてである。
過激なことばかり言っているようで、
その物腰は、とても穏やかで、そして愛にあふれている。
なにより強く感じたのは、自分の作品と映画監督としての自分のポジションを
しっかりと信じて、立ちつづけていること。
自分にしかできないと思うことを
だって自分にしかできないのだから、と
さっさと形にしてしまうこと。
片嶋監督がつくづく言っていた。
「若松さんてさぁ、「こんどこういうのやりたいんだよねぇ」って言ってるでしょ。
 そうすると次に会った時には、もうそれ、やっちゃってるんだよね」
『連合赤軍』も『キャタピラー』も、若松監督が自腹で作った完全な自主映画だ。
先行公開の沖縄では、すでに、前作『連合赤軍』を超えたヒットとなっているらしい。
こうした並々ならぬ実行力に拠った上での、「人間としての魅力」。
沖縄・桜坂劇場には、毎日、監督からの「数字チェック」の電話がはいるそうだ。
その電話を支配人以下、ちょっぴり楽しみにしているらしい。
若松さんのデイリーテレフォンを待ってしまう気持ち、
なんとなく、わかる気がした。
すこぶるチャーミングで過激なフィルムメイカー。
この「味」は、かなりの「気づき」がないと
出せないのではないか?と、思った。
作品テイストの好き嫌いは別として、
「次はなにをするのかな?」と思わせてくれる監督です。
いろいろと教えていただきまして、ありがとうございました。